舞子歩道橋工事報告書

はじめに

この工事は、平成12年8月に兵庫県神戸土木事務所から発注されたもので、国道2号線を跨ぐ横断歩道橋工事です。
工事の特徴としては、明石海峡大橋と舞子タワーの間にある県立舞子公園内での計画で、環境整備が進んだ観光エリア内の橋梁であることから、景観性が重視されたものとなっています。

工事概要

工事名舞子公園 横断歩道橋上部工等架設工事
工事場所神戸市垂水区東舞子町
発注者兵庫県神戸土木事務所
工期2000年8月22日 ~ 2001年5月10日
工事内容上部工ポステンPC3径間中空庄板橋
橋長=44.0m
幅員=3.0m 枠組支保工
下部工壁式橋脚 2基(化粧型枠)
現場打ち杭(オールケーシング工法)4基
付帯工アルミデザイン高欄=89.0m(デザインパネル)
転落防止柵=146.0m
玉石砂利舗装=330m2
波モチーフ玉石張り工(直径 150mm)111m2
張芝工 118m2(写真-10.11)
松の木
モニュメント
野面石張り工(直径 150~500mm)32m2
張芝工 172m2(写真-12.13)
階段下広場工擬石平板ブロック張 15m2

問題点と対策

本工事は、明石海峡を望む環境整備された区域で、国道2号線の南北に舞子公園があり、この公園の往来を簡便化するために構築される歩道橋です。
事前の工事で下部工の橋台バラペットが既に構築されているという経緯もあり、施工前に入念な打ち合わせが行われ、本工事の問題点が取り上げられ、その問題点についての対応策が検討されました。

PC緊張

問題点事前工事で橋台パラペットが完成しており、設計当初の主桁端部からのPCの緊張作業が行えないという問題があった。
対策現設計の構造で側径間の上庄板でPC緊張を行った。

橋脚立坑

問題点橋脚構築用の立坑土留め壁は、当初鋼矢板の設計となっていたが、試掘による調査で近接する共同溝の形状の相違、コンクリート殻や護岸用石材の埋設が多く、鋼矢板の打設は 困難と考えられた。
また、埋設物廻りの埋戻土の地山崩壊も懸念された。
対策土留壁を鋼矢板からライナープレートに変更し、薬液注入による地盤改良を行った。

建築限界の確保

問題点国道2号線上の支保工開口部の建築限界を4.6m確保することが必要であり、支保工主梁と底版の間隔が200mm程度しかなく、円筒型枠の浮き止め金具の取り付けが困難となった。
対策底版型枠組立時にコンパネを一枚設置した時点で浮き止め金具を随時取り付けた。

作業ヤードの確保

問題点橋脚部の作業ヤードを確保するために、植樹帯の占用が必要となった。
対策作業ヤード区間の植樹を公園内に移植した。

工事経過

上記の事前打ち合わせの設計内容に従って施工しました。施工順序は、下記のとおりです。

橋脚 写真-3
  1. 現場事務所の設置
  2. 試掘
    下部工の橋脚部設置箇所の試掘を実施。
    共同溝の形状の相違などを確認する。
    ライナープレート立坑に設計変更する。
  3. 橋脚用立坑の構築工
    場所打ち杭打設(直径 1,000mm×L=6.0m、7.5m)n=2本(写真-2)
  4. 橋脚構築工(写真-3)
  5. 上部支保工(写真-4)
  6. 底板・側枠型枠工
  7. 円筒型枠、鉄筋工
  8. PCケーブル配置工(写真-5)
  9. 主桁コンクリート打設工(写真-6)
  10. PC緊張工
  11. 支保工・底版型枠解体工
  12. 竣工(写真-7)
竣工(写真-7)

あとがき

今回の舞子歩道橋の工事は、設計変更、追加工事が多くありましたが、発注者と十分な協議を行うとともに、当社のPC工事部・設計本部とともに綿密な事前調査、設計趣旨の把握と施工計画の検討を重ね、工事を無事完成させることができました。
竣工検査においては、桁水切り及び排水桝に充分な検討考慮が図られ、出来映えが良いという評価をいただきました。
最後に本工事に関していろいろとご指導をいただきました発注者の皆様に感謝いたします。