本吉気仙沼道路 跨道橋工事施工報告

工事概要

本工事は復興道路である三陸沿岸道路:本吉気仙沼道路(Ⅱ期)の本線を架かる2橋の跨道橋の施工であり、6号跨道橋(プレテンション方式単純PCT桁橋)と、7号跨道橋(PC斜材付き変形π型ラーメン橋)の主として上部工施工と、それに付随した橋梁付属物工事を構築しました。

工事名谷地猿内地区跨道橋工事
施工場所 宮城県気仙沼市本吉町猿内~山谷地内
工期平成29年3月28日~平成30年3月16日
発注者国土交通省東北地方整備局 仙台河川国道事務所
工事内容6号跨道橋 プレテンション方式単純PCT桁橋
  橋長:21.80m、桁長:21.70m、PC桁(AG-21):4本、総幅員:5.00m
7号跨道橋 PC斜材付き変形π型ラーメン橋
  橋長:44.70m、支間長:9.20m+26.30m+9.20m、総幅員:8.12m
図-1 施工箇所 位置図

施工

6号跨道橋

6号跨道橋(プレテンション方式単純PCT桁橋)の施工は、下部工施工業者から引き渡しを受けた橋台に支承を設置したのち、工場製作したPC桁(AG-21:桁長21.7m、重量24.8t)4本をトレーラーで運搬して搬入し、160tクレーンを用いて架設しました。
PC桁には6%の縦断勾配(桁端高低差1.3m)があり、PC桁架設時の勾配調整対策として2点吊のワイヤーの片側を短くしておき、チェーンブロックを繋いで高低差を調整できるようにしました。

  • 最初に架設するPC桁は、ほぼ水平に吊上げて橋梁架橋位置付近に移動してから、勾配分の高低差(6%:1.3m)をチェーンブロックで調整して、支承上に据付けました。
  • 2本目以降に架設したPC桁は、桁運搬トレーラーから地切り後、地上付近である程度の勾配まで調整してから、架橋位置に旋回して据付けました。これにより危険作業となる高所でのチェーンブロックを操作する作業を低減することができました。

このようにして作業時間短縮ができ、全てのPC桁(4本)の架設を午前中に完了することが出来ました。
また、地震が多発する地域であるため、PC桁架設後の転倒防止には特に留意し、パイプサポートと台付ワイヤーによる固定及びボルトによる隣接PC桁との仮接合を実施しました。

主桁架設完了後、横組み工として、横桁・床版コンクリート打設、横締緊張、グラウト作業を行いました。
その後、高欄工、伸縮装置工、踏掛版工、地下排水構造物工、間知ブロック張工、落下物防止柵工、検査路工、水道工事等を施工し、6号跨道橋の施工を無事完了することができました。

7号跨道橋

7号跨道橋(PC斜材付き変形π型ラーメン橋)の施工は、土工事の掘削作業から始まりました。
掘削箇所に流れ盤が現れて小規模な法面の崩落が生じたため、作業を安全に進める目的で、以下の対策を実施しました。

  • 掘削箇所の法面全面に仮設モルタルを吹付けて崩落を防いだ。
  • 掘削法勾配を緩勾配に変更して崩落を防いだ。

この結果、安全に作業を進め、掘削を終える事ができました。

掘削作業完了後、基礎コンクリート・フーチング・土留め壁の施工を行い、施工背面の埋戻し作業をしました。
埋戻し作業完了後、小口止めコンクリート打設・間知ブロック張を行いPC斜材・垂直材の施工へと進みました。
下部工の施工するにあたって注意した点は、法面での作業が多いので親綱・ロリップの使用を徹底し墜落・転落災害を防ぎました。
上部工では、床版コンクリートの打設量が240m3あり、7時から作業を開始し打込み完了時間は17時でした。
その後、仕上げ・養生を行い全作業終了時間は20時でした。
床版打設について特に留意したことは、打設時期が冬期であったため、凍結防止対策として床版打設完了後に橋梁全体をブルーシートで覆い、床版直下の支保工上にジェットヒーターを6台設置して給熱養生を行い、品質確保に努めました。
また、地覆壁高欄工のコンクリート打設時期も冬期であったため、床版打設と同様に全体をブルーシートで覆ってジェットファーネスによる給熱養生を行い、品質確保に努めました。

床版施工後は、地覆・壁高欄工、踏掛版受台工、防水塗装工、落下物防止柵工、水道工事等を施工し、7号跨道橋の施工を無事完了することができました。

終わりに

発注者である東北地方整備局仙台河川国道事務所の皆様および協力工事会社、資材供給業者の協力のもと、契約工期内で無事工事が完了することができました。関係者の皆様にはこの場をお借りして感謝申し上げます。