2連 PC-BOX 推進工法(デスリップカーテン工法)

はじめに

原稿依頼を受けた時点では、アルティミット工法の工事(4月末現在、4箇所施工中)について書く予定でしたが、現在まだ推進中の現場も有り、施工データーの整理・施工上の問題点・今後の改善策等について事務所内で検討を行なっているところです。
そこで、アルティミット工事に関する施工報告は次の機会にさせていただく事にして、今回はデスリップカーテン工法による2連ボックスカルバート推進工事の施工報告をいたします。

工事概要

工 事 名: 東京大学医学部附属病院
基幹整備工事
完成
工事場所: 東京都文京区本郷七丁目三番一号
(東京大学構内)
企 業 者: 東京大学(文部省)
実施期間: 平成8年7月5日~平成9年3月31日
施工概略: 立坑築造工(発進・到達) 躯体築造工
プレボーリング工法 躯体コンクリート 765m3
H350・L=10.5~19.5m・V=3403m3(発進) 鉄筋 78.5t
H350・L=10.5~19.5m・V=3403m3(到達) ボックス設置
PCボックスカルバート (刃口推進)
内寸 幅:3.0m×高さ:3.5m×2連 78函
推進距離 52.3m
掘削土量 1675.7m3
中押1段設置
PCボックスカルバートの重量が1函当り43t 外寸が幅 7.52m×高さ 4.26mであり運搬、吊り設備等に制限があるため、4分割で現場組立てとしました。

当初、推進部分の土質は関東ロームと推定されていたため、手掘りで行う予定で、修正ジャッキを組みこんだ一般的な刃口を製作しましたが実際の土質は上半部が砂質土、下半部が粘性土であったため人力掘削から機械掘削(0.1電動バッホー)に変更し、残土は発進坑までベルトコンベアーで搬出しました。
デスリップカーテンは巾300mmを1函に6連、計12連設置しました。
(デスリップカーテンの表面設置率は47.8%) 推進を開始した所、推定以上に土質が悪く2度程崩壊したため、再検討し、発注者に変更を認めていただき全路線上部のみ地盤改良を行ない無事到達する事が出来ました。
推進時の精度は最大値でレベル下38mmセンター左25mm、カルバートの左右傾き12mmでしたが、到達後多少沈下が発生し、全体的に10~15mm沈みました。
推進力は滑材を充分に注入し、デスリップカーテンを使用したにもかかわらず当初計画より高い結果になりました。