紫外線処理設備の設置

工事概要

本工事は取水井の原水汚染が懸念されることから、浄水処理能力の向上を目的としたクリプトスポリジウム対策紫外線処理設備を、紫外線処理棟(建築物)を含めて東第2浄水場内に建設するものであり、それに付随した機械・電気・配管・付帯設備を構築しました。

工事名東第2浄水場 紫外線処理設備設置工事
施工場所京都府長岡京市神足棚次5
工期平成27年9月3日 ~ 平成28年10月18日
工事内容処理棟建設工事1式
機械設備工事1式
電気設備工事1式
配管設備工事
1式
付帯設備工事 1式
図-1 場内および配管平面図

施工

仮設バイパス管の設置

紫外線処理棟を建設するに際し、既設配管に緊急時連絡管を不断水工法にて接続して、工事期間中の通水ルートを構築しつつ、処理棟建設に干渉する部分の既設配管を撤去して建設スペースを確保しました。

写真-1 不断水工事状況

紫外線処理棟建設工事

φ450、L=10mのPRC杭4本をプレボーリング拡大根固め工法で打設し、引き続き、処理棟(鉄筋コンクリート造、地下0階、地上1階、7.0m×6.5m、最高高さ5.65m)を構築しました。
鉄筋工事では、杭頭鉄筋のスタッド溶接、柱主筋の圧接について試験を実施するとともに、コンクリート打込み時は入念に締固めを実施して、品質確保に努めました。

写真-2 紫外線処理棟型枠組立状況

機械設備工事

紫外線処理棟内に紫外線処理装置を設置し、急速ろ過水に対して紫外線処理を行った処理水を浄水池まで送水します。
処理装置は対象水量8,000m3/台を2基設置しました。
全体処理水量の95%以上に対して常に10mJ/cm2以上の紫外線照射量を確保しています。
これにより、クリプトスポリジウムを不活性化して安全な水を供給することができます。

写真-3 機械設備設置状況
写真-4 紫外線処理装置

電気設備工事

紫外線処理装置の設備に伴う電気計装設備の機器製作据付工事を行いました。
計装盤は処理棟内に設置し、タッチパネル操作により処理装置の運転制御を行います。

配管設備工事

主たる材料はステンレス鋼管300Aを使用し、運搬可能な形状までは工場にて溶接接合して現場搬入し、現場で配置・寸法調整を行って、残り部分は現地にて溶接接合しました。
配管は溶接接合であるため、ダクタイル鋳鉄管のように接続方向の微調整ができないため、事前測量結果を基に各配管材の加工形状を決定しました。
また、溶接部はX線検査を行って品質確保しました。

写真-5 X線検査実施状況
写真-6 ステンレス配管布設状況

終わりに

発注者である長岡京市上下水道部の皆様および協力工事会社、資材供給業者の協力のもと、契約工期内で無事工事が完了することができました。
関係者の皆様にはこの場をお借りして感謝申し上げます。

写真-7 完成状況
写真-8 完成状況