市道三郷5号線他歩道改良工事 現場報告
はじめに
本工事は、国道479号(内環状線)と国道163号を結ぶ4車線道路である馬場菊水線(延長1.8km)における車道の損傷、歩道部の劣化、街路樹の老木化、歩道の段差等を解消するために道路を整備する工事でした。
整備のポイント
ユニバーサルデザインの導入 (すべての人に優しい) | 歩道の拡幅、歩道のセミフラット化、街路樹撤去 | |
ヒートアイランド対策 | 透水性舗装(歩道) | |
自転車・歩行者事故の防止 | 横断防止柵、自転車通行帯の設置 |
工事概要
工事名 | : | 市道三郷5号線他歩道改良工事 |
施工場所 | : | 大阪府守口市馬場町2-8 ~ 菊水通2-9 |
工期 | : | 令和1年6月28日 ~ 令和3年3月31日 |
発注者 | : | 守口市 都市整備部 道路公園課 |
工事内容 | : | 撤去工事 |
整備工事 | ||
土工 | ||
区画線工 | ||
構造物移設工 |
施工
準備工
守口市主体で地元説明会を行い、沿道住民の方々への工事説明を行いました。
歩道乗入部、横断防止柵の設置の有無を沿道住民にヒアリング調査を行い、施工に反映させました。
事前調査、測量
設計図面と現地の相違点や詳細が不明な箇所を調査し、どのように施工するかを守口市と協議を行いました。
街路樹伐採処理工
歩行空間(幅員)の確保及び、倒木等の危険を回避するため、歩道部にある植樹帯の撤去を行いました。
植樹帯を撤去することにより、不法投棄の防止・ゴミのポイ捨ての抑止効果が見込めます。
土工
電気、水道、ガス、NTT等の人孔や埋設物との干渉を調査し、近接する箇所については各関係機関と協議し、試掘確認を行って、第三者事故防止に努めました。
撤去工事
ライン導水ブロックを設置するために、既設構造物の撤去を行いました。
地先境界ブロック設置工、排水構造物工
地先境界ブロック及びライン導水ブロックの設置を行いました。
ライン導水ブロック据付のための床付け作業では、既設の基礎材に鉱さいが使用されていたため掘削というより斫り作業となり、撤去するのに時間と労力がかりました。
飲食店や会社の前を施工する際は、事前に工事案内を配布し、説明を行ったうえで施工を行いましたが、定休日や営業時間外に施工してほしいという要望が多く、調整が大変でした。
地先境界ブロック設置完了 ライン導水ブロック設置完了
ライン導水ブロックとは、歩車道境界ブロックと排水管が一体となっており、エプロンが必要ないため車道幅員を有効に使用できる製品です。
今回の工事でも歩道を拡幅しましたが、エプロンが必要ないため車道幅員を確保することができました。
横断防護柵工
着工前の住民へのヒアリングでの要望を反映して横断防止柵を設置しました。
支柱建込状況 ビーム材取付状況
構造物移設工
歩道拡幅に伴い、信号柱、照明柱の移設を行いました。
信号柱、照明柱は基礎形状が大きいため、試掘を行い移設位置に干渉する埋設物が無いことを確認して施工しました。
信号灯器移設状況 照明柱移設状況 照明移設状況
歩道舗装工
歩道部は透水性カラー舗装を施工しました。
景観性の向上、夏場の温度上昇の抑制の効果があります。
歩道形状をマウントアップ型からセミフラット型に変更したため、起伏が少なくなり高齢者や車椅子の方も通行しやすくなります。
歩道舗装状況 歩道舗装完了
車道舗装工
排水性舗装を採用したため、水たまりが出来ず、雨天時の車両での走行が快適になりました。
切削作業は、大型の切削機を使用して、車道部舗装を10cm切削しました。
切削からオーバーレイまでの間は車両の通行ができなくなりますが、通行の際はスチレンフォームを敷き、段差をなくして通行を確保しました。
また、いつ車両の出入があるかわからないため、駐車場や民家の車両出入口には誘導員を常駐させる必要がありました。
車道切削状況 切削部養生状況 車道舗装状況(敷均し) 車道舗装状況(As転圧)
区画線工
区画線設置状況 区画線設置状況
完成
完成 完成
終わりに
本工事は他業者による電柱移設の調整による工程変更、沿道沿いにある飲食店、会社、駐車場、保育園、病院、介護施設等の営業の妨げにならないための調整、予告なしに施工を行う民間工事業者との調整等、工程管理が困難な現場でした。
施工中は、沿道住民の方々からの苦情もありましたが、竣工前には「きれいになった。」「よくなった。」と言ってもらえるようになり大変励みになりました。
発注者である守口市、沿道住民の皆様、及び工事施工業者の協力のもと、無事に工事を完成することができました。
関係者の皆様にはこの場をお借りして感謝申し上げます。