二層式PCタンク
長岡東工事は、「長岡京市フレッシュ水道計画」に基づき、ゆとりのある安定した水道構築を目的として長岡京市水道局から発注された、配水池築造工事です。
PCタンクは、内槽3000m3、外槽3000m3、計6000m3の二槽式であり、長岡京市で実績のあるパネタンクが採用されました。
パネタンクは、基礎工及び床版コンクリート打設後、施工ヤード内で製作した壁パネル、ドームパネルをクレーンで架設し、間詰コンクリートを経て、PC鋼材によりプレストレストを与え、仕上げる方式のタンクです。
パネタンクの利点は
- パネル製作を他工種(基礎工、床版工等)と平行作業する事により工期を短縮できる。
- パネルは、地上で製作するため、均一で高品質の物ができる。
- 現場打工法と比べ、ドーム支保工を簡素化でき、コスト低減ができる。
- 地上(低い所)での作業が多いため、比較的安全に作業ができる。
等であり、施工計画時点で充分に検討の必要があると考えられる事は、次の点が上げられます。
- パネルの製作ヤードの計画。
- パネルの架設時に使用するクレーン計画。
以上がパネタンクの特徴です。
当現場に於ては、パネタンク施工に際し、次の様な検討点がありました。
- 配水池敷地面積が狭く、壁パネルの製作ヤードが満足に取れない。
- 現場に面する進入道路が狭く、最大100tクレーンしか入場させることが出来ない。
1.の問題に関しては、内槽壁パネル40枚、外槽壁パネル56枚とパネル枚数が非常に多く、通常なら内槽用製作台4基、外槽用製作台6基が必要ですが、2回に分けて製作及び架設する計画とし、内槽用2基、外槽用3基としました。
工程的にも間詰コンクリート工とパネル製作工を平行して作業すれば、遅延なく施工可能と判断しました。
2.の問題に関しては、クレーンの作業半径とパネル重量(最大12t)を考慮し、床版コンクリート上に100tクレーンを掘付け、壁パネル架設の計画をすると共に、ドーム支保工の組めない部分足場から壁パネルの固定が出来る様、足場の検討も行いました。
また、今回工期短縮を目的とし、壁間詰型枠工に於て、間詰部分にセパレーターを使用しない新方法を導入しました。
工程、品質、原価低減のすべてに良好な結果を得る事が出来ました。
改良を重ね、今後の標準方法として採用したいと思います。