φ1200×894m,φ1350×518m,アルティミット工法 超長距離施工 葛西工事

当社の最長実績として簡単に御紹介しておきます。
本工事は東京電力(株)より発注された電力管路の新設工事(変電所から電源用管路及び配電用管路を新設)です。工事内容は次の通りです。

工事件名葛西変電所新設関連 管路新設工事
工事場所東京都江戸川区内
企業者東京電力(株)東京東支店
工事期間平成8年10月4日~平成9年10月21日
工事椴要推進延長  φ1200mm 894.2m、φ1350mm 517.6m

今回の工事は、1スパンで894mというアルティミット工法での長距離推進ですが、長距離推進に対応するさまざまな方法を採用しました。
長距離推進での具体的な留意点は次の様な事が上げられます。

  1. いかに低推力で施工出来るか
  2. 作業環境の保全は保てるか
  3. 測量の省力化は計れるか

1の問題については、アルティミット工法の特徴である特殊拡幅リングと自動滑材注入装置を使用することで対応する事が出来ます。
特殊拡幅リングは、掘進機先端部のスキンプレート外周に溝が備えられており、この溝を通って流動性に富んだ土砂の一部が管体の後方に流れ滑らかな壁面を造成します。
一方自動滑材注入装置は任意の場所より、任意の量の滑材注入が行えます。

2は具体的に管内の通行の問題が上げられます。通常泥水工法では、流体用の配管は推進管の底部に設置されており、歩行が非常に困難です。
そこで、配管用の吊り金具を製作し、配管を左右に取り付ける事により、管底部の歩行スペースを確保しました。
また、坑内人車等を利用する事によりさらに省力化を計りました。

3の問題については、ジャイロコンパスにより方位を得て位置を確認する方法と液圧測定方式による計測等の自動測量方法を用いました。
上記配管以外にも管内のたまり水等の排水方法も大切な課題の一つでした。
施工は1月末より開始され順調に進みました。
後半で地山の締め付けによる一時的な推力の増大という問題が発生しましたが、中押ジャッキの使用、滑材の強化注入等を実施し、4月末に無事完成する事が出来ました。

今回、894mの長距離施工を施工したことにより今後1000mを超える推進も実現可能となりました。
アルティミット工法のさらなる飛躍が期待出来ます。