アルティミット滑材注入システム(ULIS)
アルティミット滑材注入システム(ULIS)-ULTIMATE LUBRICANT INJECTION SYSTEM-
地山を安定させ、推進力を低減するためには掘進機後部から発進抗口までの埋設管外周部に良質な滑材が満遍なく、継続的に存在することが大切です。
しかし滑材は、推進する地山によっては、推進中に地中へ散逸したり、地下水で希釈されたり、流されたりしてその効果が持続しにくいという問題があります。 アルティミット滑材注入システム(ULIS)は、推進の開始から完了まで、滑材がテールボイド全体に過不足なく充填された状態を維持します。
その結果、埋設管の周辺地山を安定させ、推進力を低減して、安全確実に推進することができます。
注入方式には、下記の2通りがあります。
アルティミット滑材注入システム(一系統方式)
一次・二次注入とも一系統配管で適宜注入量を設定して、推進管の進行に合わせて自動的に順次注入する方式です。滑材は一次・二次ともアルティーKまたはアルティーK2を使用します。主に粘性土および砂質土主体の土質で採用します。
アルティミット滑材注入システム(二系統方式)
二系統配管で一次は管と地山の間隙分を注入、二次は注入上限圧力と注入時間を設定し自動的に注入する方式です。一次注入はアルティークレイ等を、二次注入はアルティーKまたはアルティーK2を使用します。主に砂礫土や滞水砂層主体の土質で採用します。
両方式とも二次注入孔の間隔は50m毎を原則とします。
ULISの特長
- 全推進延長にわたってテールボイドに滑材が常に充填された状況を維持できます。
- 滑材を過不足なく経済的に注入でき、コストダウンがはかれます。
- 滑材注入圧力の上昇による地盤への影響がありません。
- 作業者による管内注入作業がなくなり、省力化がはかれます。
- 管内の滑材配管は1本(注)にでき、接続作業の省力化と、管内空間の確保がはかれます。
(注)自動滑材注入方式(1系統方式)の場合 - 推進管1本毎の一次、追加注入実績量がカードに正確に記録され、ISO9001にも対応できるエビデンスとなります。
- 1000m以上の推進工事にも対応できます。
推進用滑材 アルティ-K
アルティ-Kは、長距離推進用に開発した高粘性滑材で、次の特長を持ち、全地盤に対応し、経時変化が少ないため、テールボイドが維持され大幅に推進抵抗を低減します。
- 水溶性が小さい
- 保水性が大きい
- 高粘性で経時変化が少ない
- 耐塩性が大きい
- 中性で安全性が高い
推進用滑材 アルティ-クレイ
アルティ-クレイは、透水係数の大きな地盤や、地下水量の多い地盤のために開発した耐イオン性の強い超高粘性滑材で、次の特長を持っています。
- 塩分の影響を受けない
- 滑材の性状が経時変化しない
- 幅広い土質に対応でき、地山を安定的に 保持する
- 中性で安全性が高い
面盤選択システム
面盤は、硬質土泥水タイプ・礫泥水タイプ・普通泥水タイプ・土圧タイプの4タイプの中から選択でき、砂地盤から硬質粘土層、礫層などの幅広い土質条件に対応できます。
土質条件に対応した面盤により掘削効率の向上と掘進機先端抵抗力の低減を図ることができます。
コーン内洗浄機構
土質の変化に対応するため、高圧水洗浄機構を装備しています。
特殊拡幅リング
面板から注入された作泥材などの一部が、この特殊拡幅リングの溝を通って掘進機や推進管の周囲に安定材として充填され、周面抵抗力を軽減させます。