No.51 液状化対策工事 アースドレーン工法

担当部門 名古屋支店
海東 克芳

 1.はじめに

 液状化対策は構造物の性能を向上させ、液状化に耐えられるものにする方法と、液状化の発生を抑制する方法また、地盤の性質を改良する方法など様々な分類があります。
 本工法は、液状化対策工法の内で間隙水圧消散工法に分類され、地盤に排水材(人工ドレーン)を設置することにより、水平方向の排水距離を短縮し、地盤の排水性を高めることにより地震により発生する過剰間隙水圧を速やかに消散させ、地盤が液状化するのを防止・抑制するために行う工法であります。



 2.工事概要とその特徴

工事名 公共下水道施設耐震化工事(市道2-530号線他)
発注者 刈谷市上下水道部下水道建設課
請負者 関興業株式会社
実施工期 H27.1.28〜H27.1.30
施工場所 刈谷市中山町5丁目、桜町2丁目 地内
工事内容 アースドレーン工法 2箇所 L=76.05m 23本

マンホールNo. M144(角人孔) M146(丸人孔)
ドレーン深 2.5m4.3m2.3m4.0m
ドレーン被り 0.39m 0.50m
ドレーン長×本数 2.11m×4本  3.91m×11本 1.80m×2本  3.50m×6本
51.45m 24.6m

 本工事は刈谷市中山町、桜町地内において液状化によるマンホール浮上を抑制する目的でアースドレーン工法以外にもマンホールに重量を増して対応するハットリング工法、ドレーンと同様過剰間隙水圧を弁を設置し、マンホール内に消散させるフロートレス工法の3タイプを含む工事でした。
 工法の採用分けは、路面の開削が不可能な箇所についてはフロートレス工法、開削が可能な箇所ではアースドレーン工法若しくはハットリング工法そのなかでも比較的深いマンホールについてはアースドレーン工法で施工となりました。

  • アースドレーン工法の特徴
    1. 無排土圧密

    2.  打設方法が無排土の周辺圧密管入方法で行い、地盤の排土をしないので地盤沈下は起きない。

    3. 高周波振動

    4.  打設時に振動を発生させ、周辺摩擦抵抗を軽減し、打設を容易にする。また、施工時の高周波振動は減衰効果が高く、影響範囲が狭い為、周囲に与える影響は少ない。

    5. 工程の短縮

    6.  大型ケーシング削孔機を使用せず人工ドレーンを設置するので施工時間が短い。

    7. 施工時の環境

    8.  駆動部は油圧を使用し、振動も地中での高周波振動を使用する為、周辺への騒音、振動が最小限に抑えられる。

  • 使用機械・材料

  • 打設機械 ECO-3V
    ドレーン材

  • 作業手順フロー
  • @着工前
    試験堀りの際に、砕石消散帯を埋設する

    埋設物所有者立会のもと、試験堀りをしマーキングを行う
     
    Aケーシング打設
    地下埋設物を考慮しながら、打設位置を決定し、ケーシング(φ140)を打設する

    地中の被圧水にて土砂がケーシング内に流入しないよう水を投入する

    ケーシング圧入時に障害物等による圧入が難しい場合、影響半径の計算によりドレーン打設位置且つ、間隔の変更を行う
     
    Bケーシング打設完了
    所定の位置までケーシングを圧入
     
    Cドレーン建込
    ロットを抜きドレーン材を建込
     
    Dドレーン建込
    ドレーン建込完了
     
    Eドレーン被り出来形計測1
    ドレーン天端からマンホール天(G.L)までを計測
     
    Fドレーン被り出来形計測2
    ケーシング内ドレーン状況

    計測後、ケーシングを引抜引抜の際、共上りがないか確認しながら、ケーシング回収
     
    Gドレーン設置間隔出来形計測
    所定の間隔内で設置できていることを確認
     
    Hドレーン設置完了
 3.施工計画時に気をつけた事とその結果

マンホールM146は商店の前での施工で水曜日の定休日に施工しなければならず、1日で施工を完了しないと翌週に持越しとなるので、なるべく無駄を省くよう前日にドレーンの作成を済ませておき、施工に入りました。幸いにも埋土も圧入できるような砂であったため、余裕をもって施工を完了することができました。

 4.当初想定していなかった技術的な問題点、技術的な工夫とその結果

 当初マンホールM144にはφ100mmガス、水道の埋設があり、マンホールM146にはφ150mmガス、φ50mm水道が近接する予定でした。試掘の結果マンホールM144はφ100mmガス、マンホールM146ではφ50mm水道が支障物件となることが確認されました。マンホールM144の計画打設箇所(1,2,3)に近接してφ100mmガスがあり、関係機関より500mmの離隔を指示されておりました。しかし、実際指示通りの離隔を確保することは難しくφ200mmの塩ビガイドパイプを入れることで許可を頂き打設することとなりました。
 マンホールM146についても同様に(1,7,8)付近にφ50mm水道が近接するため、ガイドパイプを入れ打設を行いました。結果、ドレーン影響範囲を逸脱することなく、また埋設管の破損、接触もなく完工致しました。


 5.おわりに

 今回の工事ではありませんでしたが、通常、計画時の条件として、マンホールの埋戻し土は砂質土、若しくは良質土となっておりますが、実際施工してみると埋戻し土が礫を含むものであったり、再生砂のような圧入できないもので埋めてあったりすることが頻繁にあり結果、大幅な施工数量の変更になることもあります。
 今後、施工時の無駄を少しでもなくす為、施工前の詳細な土質調査が必要であると思います。
 また、ドレーン工法の得意分野でもある深い人孔に対しもっと施工精度を上げられるよう改良、進歩できるよう努力していきたいと思います。