No.37 加賀沿岸流域下水道(梯川処理区)管渠整備工事(2号幹線5工区)

担当部所−金沢事務所
担 当 者−菊池祐次

 1.工事概要

  • 工 事 名:加賀沿岸流域下水道(梯川処理区)
  • 管渠整備工事(2号幹線5工区)
  • 工事場所:石川県石川郡美川町
  • 発 注 者:石川県金沢土木事務所
  • 工事内容:管径800mmアルティミット泥水工法 2SP
  • L=124.16m(R=45m、曲線推進)
  • L=482.15m(直線推進、手取川横断)
  • 土 被 り:16m(最大)
  • 土質条件:砂質シルト
  • N値 5〜10
写真1:推進路線
写真1:推進路線

本工事は、手取川の河口を横断する長距離推進であり、施工場所は日本海から吹く潮風が冬の寒さをより一層厳しいものにする場所でした。

 2.推進計画
2-1.推進設備
発進立坑が、中継ポンプ場となるため元押ジャッキと支圧壁コンクリートとの間には総重量13tの鋼材を使用して架台設備を組み立てました。また、底盤より鉄筋が無数に出ており鉄筋の曲げおよび曲げた鉄筋を戻すことを含めて推進設備の設置、撤去に予定以 上の日数を要しました。

2-2.長距離推進
高土被りでの長距離推進であるため、推進管と地山の摩擦抵抗を減ずるために、アルティミット滑材充填システムを採用しました。長距離推進で地下水も多いことから、滑材の劣化および地下水による希釈を考慮し、一次注入と二次注入を採用しました。
 使用滑材としては、地中環境を保全し、地下水による希釈の少ないアルティーKを採用しました。

2-3.河川堤防などの沈下防止について

推進時における掘進機の掘削土量の取込み過ぎや取込み不足は、地中埋設物や地上構造物に悪影響を及ぼします。本工事は、手取川河口下を長延長で横断する推進工事であり、堤防敷き等の沈下防止が要求されました。このため、当社が開発した推進時の 適正な土量管理ができる泥水式掘削管理システムを提案し、採用されました。

2-4.抗口リング
土被りが16mあり高水圧に対応するため、発進坑口にはダブル坑口を使用し、到達坑口はダブルパッキンを採用しました。両立坑とも計画構造物からの離隔が少ないため、H鋼およびSMWを斫り坑口リングを連続壁の内部に収まるように取付けました。到達立坑においてはSMW斫り時の地山崩壊が考えられたため、予め到達予定位置に箱型の坑口を設置し、万一の地山崩壊時には瞬時に蓋ができるような工夫をしました。


 3.推進結果
3-1.長距離推進
推進延長が482mと長距離であるため、推進中の推力の上昇に注意し推進を行いました。滑材の注入については、計画数量の倍近くの量を注入しました。その結果、計画到達推力2580kN(258tf)に対し、到達推力700kN(70tf)と非常に軽い推力で到達することができました。 写真2:初期発進状況
写真2:初期発進状況
3-2.河川堤防等の沈下防止について
推進時における掘削土量は、オペレータが操作室の液晶画面でリアルタイムに監視することができ、堤防などの沈下を発生させることなく、安全に推進を完了できました。 写真3:掘削管理システム
写真3:掘削管理システム
3-3.マシン到達
この工事は河川通過直後に到達となるため、到達の際の止水対策として抗口リングにはダブルパッキンを計画しましたが、完全な地下水の流入を防ぐことができず、作業休止の夜間は到達立坑内に水を張り対処しました。 写真4:掘進機到達状況
写真4:掘進機到達状況


 4.最後に
日本国内では、比較的例の少ない800mmの長距離推進工事を施工するに当って、発注者・元請JV・協力業者の各位に加え、土木本部・技術本部等、本社関係各所より絶大な協力を頂いたお陰で無事到達に至ることができました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。