No.36 中部処理区山下築下水道再整備工事(その2)

担当部所−東京支社
担 当 者−曽我利行

※下水道協会誌 2004/No.506 Vol.41のP.59に
「瓦礫を乗り越えた超長距離・急曲線の推進工の施工について」として紹介されてます。

 1.工事概要
事業目的
横浜中華街に隣接する当現場の山下地区には、山下合流幹線(φ1500・1650、□1800×1800・1950×1950mm)が布設されていますが、老築化・不等沈下等も伴い逆勾配区間が多く、順勾配であっても勾配が殆んど無いために流速が得られません。また中華街等からの油分の多い汚水が流下することによって、特に、晴天時が続くと汚水が満水し、悪臭が街中に漂う現状があります。本工事はこのような問題の抜本的な解消を目的として、新たなバイパス管を布設する事業です。
地図
工事件名
中部処理区山下地区下水道再整備工事(その2)

工事場所
横浜市中区山下町20〜276番地先

発注者
横浜市下水道局
 

工事内容

  • 工事延長 L=826.16m
  • 内径1000mm泥土圧式推進工法
    • 1)L=205.31m(元押)
    • 曲線半径 50R
    • 2)L=620.85m(中押2段)
    • 曲線半径 300R 他5箇所
    • 土被り 7.7〜11.5m
    • 土 質 砂礫、土丹、シルト
    • バキューム排土 推進機は埋め殺し
  • 両発進立坑築造工(SP−W型):3200×7200mm 1箇所
  • 到達立坑築造工(ライナープレート):φ3000m 1箇所
  • 特殊人孔築造工:1箇所
  • 付帯工:1式
 2.施工状況
施工にあたっては、推進距離、線形、作業用地、土質、安全性、経済性等を検討した結果、泥水工法では作業用地が確保できない問題があり、泥濃工法では砂機・シルト・泥岩等に変化する土質に対して日進量の低下が懸念され、現場条件、施工能力および経済性において有利であるアルティミット泥土圧式が最適な工法と判断し採用されました。

施工概要図
施工概要図

施工は上流 L=205mから行い、途中玉石と鉄筋コンクリートガラに苦慮しましたが、無事到達し掘進機を回収することができました。問題は下流 L=620mスパンで、路線部は理め戻し土の可能性があり、その昔関東大震災で発生した瓦機を埋め立ててできた公園が、到達人孔に近接する山下公園であることなどから、ガラの存在が問題になっていました。やはり、 L=530m付近でガラの山に遭遇しました。その量は凄まじく掘進機のスクリューに絡んだ鉄筋によってスクリューケーシングが摩耗し、ついにケーシングを被って鉄筋が飛び出し、そしてケーシングは駆動部から先で完全に前後で縁が切れ、異常な状態となりました。駆動部は管径に対して大きく、その先は体が入らないため破損した箇所の手当ができないので、レバーブロックで固定することにより、スクリューを生かすことにしました。さらに一連の事態で土砂が流入し、3基ある掘進機のモーター中2基が水没しモーター1基での掘進となりました。最後は、スクリューとモーターはともに限界の状態で到達を迎え、まさに埋め殺しという言葉どおりの掘進機となりました。
 最後に発注者からアルテイミットでよかった、それ以外なら到達できなかったと高い評価をうけました。なお、本工事は人孔築造等が残っていますが、早期竣工を目指し安全性、周辺環境に十分配慮し円滑に施工していきたいと考えておりまず。

掘進機カッターヘッド到達状況
掘進機カッターヘッド到達状況