No.33 君ヶ野川橋工事施工報告

担当部所−PC工事部
担 当 者−村上裕司

 1.橋梁概要
君ケ野川橋は、日本海東北自動車道のうち秋田県由利郡岩城町に位置し、全外ケーブル方式により張出し架設で施工される橋長363.0m、最大支間97.0mのPC5径間連続ラーメン橋です。 A1側にインターチェンジの流入部があることからP2付近から拡幅区間となっています。以下に橋梁緒元を示し、一般図を図−1に示します。

工 事 名: 日本海沿岸東北自動車道 君ケ野川橋(PC上部工)工事
施  主: 日本道路公団 東北支社 秋田工事事務所
施  工: (株)ピー・エス/機動建設工業(株)共同企業体
工事場所: 秋田県由利郡岩城町内道川地内
構造形式: PC5径間連続ラーメン箱桁橋
橋  長: 363.0m
支  問: 40.3+65.0+2@97.0+62.3m
有効幅員: 15.310〜10.310m
平面線形: R=1800m
架設工法: 張出し架設工法
使用鋼材: 架設ケーブル 19S15.2
連続ケーブル 19S15.2
図−1 一般図
主要数量
項目 種  別 単位 数量
コンクリート σck=40 N/mm2 m3 4855
PC鋼材 SWPR7B19S15.2 t 167
鉄筋 SD345 t 987
図−1 一般図

2.施工方法
1)ブロック割り
張出し架設における施工ブロック長は、ブロックの重量及び移動作業車の能力から決定しました。
ブロック長 :2.5〜4.0m
ブロック重量:85t
ワーゲン能力:230t・m
2)施工手順
P2橋脚より11ブロック、P3およびP4橋脚より13ブロック張出し施工を行いました。
A1〜P1径間およびA2側径間を固定式支保工により施工し、最後に中央閉合部を施工し構造系完成としました。
1ブロック施工サイクルは、実稼働日で11〜12日でした。
図−2 施工手順
図−2 施工手順
写真−1 当社移動作業車
写真−1 当社移動作業車
写真−2 張出し架設施工状況
写真−2 張出し架設施工状況

 3.施工上の留意点

1)張出し施工部の内型枠
 これまでの内ケーブル方式の架設では、内型枠は同形状で外型枠同様一度組立てれば転用出来ましたが、 全外ケーブル方式の架設では、上床版には架設ケーブルの定着突起と偏向部、 下床版には連続ケーブルの偏向部が設置されるため、内梁を上床版の偏向部底面位置に設置して、 その上に内型枠フレームを載せる形式としました。

内型枠断面図
内型枠断面図
2)透明シースのグラウト注入確認
 本橋の外ケーブルの防錆方法は透明シース+グラウトを用いました。 透明シースを使用した外ケーブルは、グラウト充填状況及びPC鋼材の腐食状況が目視で容易に 確認出来るなど多くの利点がありますが、いまだ実際の橋梁に適用された例が少ないため、 施工前にグラウト注入確認試験を行いました。
 試験モデル形状はケーブル変化が多く、ケーブル角度の大きいケーブルを用いました。
 本試験より以下の項目について確認を行い、本橋へ適用しました。
1:接続性
定着部鋼管−保護管、保護管同士での接続状況及びグラウト漏れの有無を確認する。
2:グラウト点検性
グラウト注入状況を確認する。
3:グラウト充填性
保護管内のエア一溜まりの有無を確認する。
4:排気口
排気口の適切な位置を確認する。

試験に用いたモデル形状を下図に示しす。
排気口変更前
排気口変更前

排気口変更後
排気口変更後

試験結果より、接続性、グラウト点検性及びグラウト充填性に対しては満足な結果が得られました。 また、下り傾斜にかかる所にエア一溜まりが出来ることから、排気口1及び4の前方に排気口を取り付けました。 また排気口3及び5はエア一溜まりが発生しないため、設置しない事としました。
 実施工では、ケーブル長100mまでは片押しで注入を行いました。ケーブル長100m以上は、 端部と中央部の2箇所より注入を行いました。エア一溜まりは、中央部の注入箇所に一部見られましたが その他の箇所には発生しませんでした。

 4.おわりに
本橋は、当初内外併用方式で計画され、詳細設計において全外ケーブル方式で施工することとなり、この方式での実績が数橋しかなくJH内でも注目の工事となりました。 その中で、設計上及び施工上の問題が出てきましたがJHの工事長、構造技術課のご指導及びJV先である(株)ピー・エス設計課のご協力により対処し完成しました。 今回の(株)ピー・エスとのJVでは、JVならではの現場の動かしたか、技術上のノウハウ及びJHとの折衝等大変勉強になりました。今後の施工に役立てたいと思います。