No.6 矢代川工事−天然ガス圧送ライン鞘管工事

担当部所−新潟事務所
担 当 者−川村 聡

矢代川工事は、帝国石油(株)発注の新東京ライン建設工事EI区(新潟から東京まで天然ガスを圧送する為の、 φ500mmガス管布設工事約10km及び付帯工事)の内、関川の支流である矢代川をガス管の鞘管として、2箇所を横断する工事で、 2箇所の横断部は3km程離れており、スパンごとに矢代川その1(図−1)、矢代川その2(図-2)と分け、 立坑工・推進工・地盤改良工他一式を、施工しました。矢代川その1工事は、図−1の柱状図のようにGLから10m程が最大礫径400mm位の砂礫層で、 その下の僅かな砂層を推進する計画で、ここでの問題は、鋼矢板の打設と掘進機の礫対応でした。

 図−1 矢代川(その1)推進断面図  図−2 矢代川(その2)推進断面図
推進断面図 推進断面図

鋼矢板打設は当初ロックオーガーで計画されていましたが、機器搬入等の問題で採用できず、 ウォータージェット併用バイブロハンマでの施工となりました。ウォータージェットは毎分895L・150kgf/cm、 バイブロハンマは、80kwのものを使用し、1立坑7日位で打設する事ができました。 掘進機に関しては、掘進機外径の3分1までの礫径に対応できるように、本社との間で検討を重ね、 破砕ビット・ゲージカッタ・ローラーカッタの配置等を改造した結果(図−3)、 日進量15m、最大推力100tfと特に問題なく終る事ができました。

 矢代川その2工事は、その1工事の上流側3kmに位置しており、図−2の柱状図のように、 発進立坑はGLから12m、到達立坑はGLから8m付近まで玉石混りの砂礫層で最大径2000mmの巨岩があり、 この部分を推進する事は困難と判断し、その下にある風化シルト岩層を推進する計画となりました。 そのために、発進立坑7140×4000掘削深(ライナープレート)19.5m、到達立坑φ5500mm掘削深(ライナープレート) 18.0mと深い立坑掘削となりました。 ライナープレート掘削の補助工法として、発進立坑側では隣接する上水道の取水口(井戸)を考慮して2重管ダブルパッカー (ソレタンシユ)工法を、到達立坑側は2重管ストレーナ工法単相式をそれぞれ採用し、玉石混り砂礫層の地盤改良を行いました。
 立坑掘削では、予想以上の巨岩と湧水と共に放出されたメタンガスの問題で、発進立坑で80日、到達立坑で50日を費やしてしまい、 結果的に立坑掘削が矢代川工事の一番の問題点となってしまいました。
 推進では、その1と同様に本社と検討を重ね、シルト岩によるチャンバー内での閉塞を考慮し、 インナーコーンに切欠を設け取込口を広くしたほか、ローラービットを撤去する他の改造を施し、 日進量10m、最大推力200tfと大きな問題もなく完了する事ができました。

各工種の細かいデータ等は記述していませんが、全体的に特に大きな問題もなく竣工できたのは、 着手前から計画に携わり難しい土質への対応を協議する事ができた点と、当社の推進技術の高さだと思います。  しかし、それとは反対に立抗掘削に関しては、課題を残すものとなりました。
 最後に、矢代川工事で苦労を共にした同僚と各業者の皆様に感謝致します。

 図−3 掘進機断面図(改造前)  
マシン改造前
 矢代川その1(改造後)  矢代川その2(改造後)
マシン改造後1 マシン改造後2